肩の痛みに悩む方へ【理学療法士が解説】

身体

※この記事はアフェリエイト広告を利用しています

はじめに

「肩が痛くて腕が上がらない」「夜中に肩がズキズキして眠れない」
このような肩関節の痛みで悩んでいる方は少なくありません。

肩は日常生活で頻繁に使う関節で、動きの範囲が広い一方、とても不安定な構造をしています。そのため、加齢や使いすぎ、姿勢の乱れなどで痛みを起こしやすいのです。

この記事では、肩の痛みの原因と避けるべき動作、そして理学療法士の視点からおすすめのセルフケア方法をご紹介します。


肩関節の構造と痛みの原因

肩関節は「上腕骨」「肩甲骨」「鎖骨」で構成され、さらに周囲の腱板(けんばん)や靭帯、関節包によって支えられています。

肩の痛みの主な原因には以下のものがあります。

  • 五十肩(肩関節周囲炎)
     40〜60代に多く、関節の炎症によって腕が上がらなくなる。
  • 腱板損傷
     肩を安定させるインナーマッスルが損傷し、肩を挙げると痛みが出る。
  • 肩峰下インピンジメント症候群
     腕を挙げたときに腱板や滑液包が骨に挟まれ、痛みが起こる。
  • 変形性肩関節症
     軟骨がすり減って痛みや動きの制限が出る。
  • 姿勢の影響(猫背・巻き肩)
     肩甲骨の位置が崩れ、肩に負担がかかる。

肩が痛いときに避けたい動作

痛みがあるときに無理やり動かすと、炎症が長引いたり悪化することがあります。以下の動作は控えましょう。

① 腕を無理に上げる動作

  • 高い棚に手を伸ばす
  • 洗濯物を干す

無理やり上げることで肩峰下インピンジメント症候群につながります可能性があります。

② 急な力仕事や重い荷物を持つ

  • 重い買い物袋を片側だけで持つ
  • 急に引っ張る・押す動作

腱や関節に大きな負担がかかり、インナーマッスルの損傷リスクが上がります。

③ 長時間同じ姿勢

  • デスクワークで猫背のまま作業
  • スマホを長時間見る

肩甲骨の動きが制限され、肩関節に過度なストレスがかかります。

④ 痛みを我慢した無理なストレッチ

  • 痛い方向に強引に伸ばす
  • 肩を無理に回す

炎症期には逆効果で、回復が遅れる原因になります。


肩の痛みにおすすめのセルフケア・運動

「動かすな」というよりも、「痛みのない範囲で動かすこと」が大切です。

① 温める

入浴や蒸しタオルで肩周囲を温めると血流が改善し、痛みが和らぎます。
※腫れや熱感が強いときは冷やす方が適しています。

② 肩甲骨の体操

  • 背筋を伸ばして椅子に座る
  • 両肩をすくめるように上げて、ストンと下ろす
  • 肩甲骨を寄せるように胸を開く

肩甲骨の可動域を広げ、肩への負担を減らします。

③ 振り子運動(コッドマン体操)

  • 椅子や机に片手をつき、上半身を少し前に倒す
  • 反対側の腕を下にダランと下げ、小さく前後・左右に揺らす

動かすときに力を入れないように意識しましょう。

④ 軽い筋力トレーニング

  • セラバンド(ゴムバンド)で外旋・内旋運動
  • 水の入った500mlペットボトルで軽い負荷をかける

肩の安定には小さい筋肉が重要であるので、軽い負荷で鍛えましょう。
ただし痛みが強い時期は無理をせず、回復期から取り入れましょう。


肩の痛みを和らげる生活習慣

肩を使いすぎないように生活を工夫する

  • 買い物袋やカバンなどを持つときは、左右の負担を均等になるようにしましょう。
  • 上の物を取るときは台や椅子を使って肩を上げすぎないようにしましょう。

姿勢改善

  • 猫背を防ぐために、背筋を伸ばして座る
  • デスクワーク中は1時間に1回は肩を回してリセット

睡眠時の工夫

  • 横向きで肩を下にして寝ない
  • 抱き枕やバスタオルを使って肩を支えると楽になる

受診の目安

次のような症状がある場合は、自己判断せず整形外科を受診しましょう。

  • 夜間痛で眠れない
  • 腕がほとんど上がらない
  • 力が入らない、物をよく落とす
  • 数週間たっても改善が見られない

まとめ

肩関節の痛みは、五十肩や腱板損傷など様々な原因で起こります。
痛みがあるときは無理に動かさず、炎症を悪化させる動作を避けることが大切です。

そのうえで、

  • 肩甲骨の運動
  • 振り子運動
  • 軽い筋トレ

といった安全なセルフケアを取り入れましょう。

生活習慣や姿勢を工夫するだけでも、肩への負担は大きく減ります。
症状が強い場合や長引く場合は、早めに医療機関を受診してください。

「痛みを我慢しないこと」こそが、早い回復への第一歩です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました