インソールを購入しようと思っている人やそもそもどんな効果があるかわからない方は意外と多いと思います。
この記事では、インソールの効果や購入の際の注意点などを解説します。
この記事を読むべき人
- インソールを購入しようと思っている人
- インソールの効果を知りたい人
- インソールを処方する専門職の方
インソールについて
インソールとは、靴の中に入れて歩きを良くしたり、疲れにくくしたり、身体の傾きやずれを修正する目的で使用されます。
スポーツショップやホームセンター、100均でも購入できます。また、インソールの専門店や病院など個人個人に合わせてオーダーメードで作製してくれるところもあります。
インソールの効果
インソールと聞くとなんとなく歩きを良くしてくれると想像する方は多いと思います。インソールの効果としては歩行の改善や疼痛の軽減・予防、変形の予防などが挙げられます。
これらの効果について科学的根拠を基に解説していきます。
歩行の改善、疼痛の軽減
まずは歩行の改善と疼痛の軽減についてです。インソールを使用すると歩き格好を良くしたり、足への衝撃を吸収し疼痛の軽減や疲れにくくする効果があります。
足の裏には3つのアーチ構造が存在しており、このアーチを変化させ地面の形をつかみバランスを取ったり衝撃を吸収し歩きの推進力を高めています。
アーチ構造が崩れたいわゆる偏平足の方は歩く、走るなどの動きで足にかかる衝撃が吸収されずに筋肉に余計な力が入ってしまうことで疲れやすくなったり、膝や腰に負担がかかり痛みが誘発されます。
インソールを使用することでアーチ構造を整え、筋疲労の軽減や疼痛の予防、パフォーマンスの向上を期待できます。
この研究によると、インソールの有無で重心動揺(バランス能力)、筋負担、心拍変動からストレスがどのように変化するかを調べています。結果として、インソールがあった方がバランス能力が高く、筋負担が少なく、ストレスが少ないと報告されています。
一方で、インソールを使用することで歩行時の筋活動が増加するという報告もあります。
こちらの研究では外側ウェッジ(外側へのインソール)を使用することで腓骨筋の活動が増加すると報告されています。
まとめると、インソールには筋負担を軽減する効果と筋活動を増加させる効果があります。
長時間歩くことにより足の痛みや疲労が生じている場合は筋負担を軽減するようなインソールを、逆に足の筋力が低下していることで長時間歩けない場合などは筋活動を増加させるようなインソールを使用することが勧められます。
このようにインソールには様々な効果があるため、どのような目的で使うかが重要となります。
変形の予防
次は変形の予防について解説します。足の変形というと代表的なものが外反母趾や変形性膝関節症があります。インソールの効果としてこれらの変形を予防する効果があります。あくまで予防であるため、すでに変形しているものを完全に元通りにするわけではありませんのでご了承ください。
上記の歩行改善もそうですが、インソールは運動連鎖という考え方から成り立っています。
運動連鎖とは、
「複数の分節が時間的・空間的に協応して合目的的かつ合理的な動作を行う事ができる」と定義されています。
運動連鎖~リンクする身体 嶋田智明,大峯三郎,山岸茂則, 文光堂 から引用
ものすごく簡単に言い換えると身体の関節(足関節や膝関節など)はお互いに協力して動いて動作(起立や歩行など)を行うということです。
股関節が曲がるとそれに伴い膝関節も曲がったり、足関節が外側を向くと膝は内反し骨盤は後傾したりします。
インソールには運動連鎖の考え方を用いて関節の方向や筋肉の働きを変化させることができます。
例えば、変形性膝関節症の多くの方はO脚と言われる膝をしております。その場合は足裏の外側にインソールを挿入し膝をX脚と言われる方向に誘導していきます。
上記では変形性膝関節症について記載しましたが、関節の変形や姿勢や動作による疼痛がある場合などはインソールを用いて変形を予防する方に誘導したり、疼痛が生じないような動作にしたりします。
変形性膝関節症のガイドラインにおいて、「変形性膝関節症に対する膝装具、外側楔状足底板を用いた装具療法は鎮痛および機能改善に関して、その有用性は弱く推奨される」と記載されています。
また、変形性膝関節症に対する足底板(インソール)は鎮痛や機能改善に関して大きな効果を有しその有用性は高いが、用する装具の差異や変形性膝関節症の進行度が効果に影響を与えている可能性が高いため治療法としては弱く推奨される(一部省略)と記載してあります。
つまり、疼痛や機能改善について推奨はされるが、変形の進行度やインソールの種類によって治療効果に影響が生じてしまうので治療法としては弱いのではないかという風に言われています。
上記でも記載していますが、どのような目的が使用するかが重要ですのでご自身の目的に合わせて使用することをお勧めします。
インソールの違い
次にそれぞれインソールの違いについてですが、インソールといっても様々な種類があり、上記で解説した目的に合わせて自身の足に合ったインソールを購入する必要があります。
それぞれインソールには、内側縦アーチ型・外側縦アーチ型、高さや硬さ、素材などによって異なります。
内側・外側縦アーチの違いは自身の足の形と目的によってどちらが良いかを決めます。足の形は専門家の意見がないと判断は難しいと思いますので、インソールを処方してくれる医療機関や専門店のスタッフにお尋ねすることをお勧めします。
高さや硬さ、素材については挿入目的が達成できているかに加え、挿入した感覚として違和感がないかが重要になります。アーチ部分が高すぎると足の裏が押されすぎて痛みを呈することがありますので、徐々に高さを上げていく必要があります。また、硬すぎると足をついたときの衝撃が強くなってしまうことがあります。
インソールによって高さや硬さ、素材は異なるため実際に触れてみたり足を乗せて試し履きをしてみると良いかもしれません。
インソールを購入する時のポイント
それでは、インソールのことがなんとなくわかったところでインソールを購入するときのポイントを簡単にお伝えします。
インソールを購入するポイントとして、使用する目的は何かを明確にしておくとどんなインソールを購入すればよいかがわかりやすくなりますので、事前に使用目的を決めておきましょう。
例えば、仕事で歩く機会が多く歩いていると段々足が疲れてくるかたは仕事用の靴にインソールを挿入する必要がありますし、スポーツをするときによりパフォーマンスを高めたい方は競技用の靴にインソールを挿入する必要があります。
どこが疲れてくるのかどんなスポーツのどの場面でパフォーマンスを高めたいのか自身の足のアーチはどこが崩れているのかによって内側に挿入するのか外側に挿入するのかが決まってきます。
上記でも記載しましたが、自身の足の形を判断するのは難しいためインソールを処方している医療機関や専門店で測定していただくことをお勧めします。
専門店にいくと数多くのインソールがあり、その種類や特徴はさまざまですのでお店のスタッフにインソールを購入する目的を伝え数ある中から絞っていき試し履き等をしつつ購入していくことが良いと思います。その中で目的は達成してくれる形状をしているか、挿入したときに違和感はないか、使用したときの違和感はないか、清潔さは保てるか(洗濯可能、脱臭効果)を検討して購入していきましょう。
専門店のインソールは値段も比較的高価であり、何度も購入するのは難しいと思います。また、目的もよくわからないけどなんとなく欲しいという方もいらっしゃるかと思います。そんな方はまず100均などに売っているものから試してみても良いかもしれません。
100均なら気軽に購入でき、実際の使用感など試しやすいと思います。合わないなと思ったらすぐにやめることも100円なのでしやすいと思います。
100均のインソールで試したのちに専門店に行き本格的なものを購入すると失敗は少なくなるかもしれません。
まとめ
この記事では以下のことを解説しました。
- インソールの効果
- インソールの違い
- 購入のポイント
これからも生活や身体のことについて解説していきます。何か解説してほしいテーマなどありましたらお気軽にコメントしてください。最後までご覧いただきありがとうございます。
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